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CAD/CAM冠

  • 執筆者の写真: 阿部潤
    阿部潤
  • 8月21日
  • 読了時間: 3分
CAD/CAM冠

「 CAD/CAM(キャドカム)冠 」と呼ばれる保険適用の白い歯に関して解説します。


CAD/CAM冠は全ての歯に対して保険適用されているわけではありません。


例えば、いちばん奥の歯( 第二大臼歯 )のクラウンは不可とか、奥から二番目の歯( 第一大臼歯 )の場合も条件付きでの適用となっています。ブリッジに関しては適用されておりません。


※ CAD/CAM冠は全国すべての歯科医院で取り扱っているわけではなく、申請認可済医院のみの取り扱いとなっております。

CAD/CAM冠とは 文字通りCAD/CAMの技術の応用により製作された冠( クラウン )になるわけですが、そもそも CAD/CAM( キャドカム )って何?という方のためにそこから解説していきたいと思います。


CAD/CAM の「 CAD 」 とは Computer Aided design の略で、「コンピューター設計支援」ということ。


CAD/CAM の「CAM 」 とは Computer Aided Manufacturing の略で、「コンピューター製造支援」ということです。


ですので簡単に言うと、CAD/CAM 冠とは、CAD( パソコン上でクラウンの設計をし )CAM( CADで得られた設計のデータを専用工作機器に入力して切削・加工 )の流れで出来上がったクラウンという意味になります。


従来は歯科技工士の手により、まさに手作業のみで行われていた行程が、CAD/CAM技術の導入により、手作業には必然的に発生し得る精度のバラつきも改善され、かつ大幅な作業時間の短縮化および作業行程の効率化を図ることが出来るようになりました。


CAD/CAM冠の材質はどんなものかというと「レジン」、、いわゆるプラスチック主体の物です。


レジンにセラミックの粒子を混ぜ込んで強度を上げたものなどが出ておりますが、各メーカー公表の強度に関する数値データを比較すれば、自費のジルコニアやオールセラミックに比べるとかなり劣ります。


冒頭でCAD/CAM冠の適用条件の事をお話ししましたが、お口の中で咬む力の負担が最もかかる部位( 第二大臼歯 )やブリッジには適用されていないという事からも、強度的に危惧される部分がある( 壊れやすい傾向にある )という事を伺い知ることができるでしょう。


ですのでCAD/CAM冠は、例えば歯ぎしりや食いしばりの習癖のある人、咬み込み( 力 )の比較的強い人、歯が全体的に摩耗( すり減っている )傾向のある人、あるいはコンタクトスポーツ( 例えばラグビーや柔道などの格闘技等 )をやっている人などには向きません。


経年劣化に関してはプラスチック主体ですから、やはり素材自体の変色( 当初のキレイな色合い・ツヤ感が徐々にくすんできたり )はしやすい傾向にあります。


またジルコニアやオールセラミックと比べ摩耗しやすく表面が傷みやすいため、粗くなった表面にプラークが付着して歯肉炎を起こしやすい環境になってしまうことも多いです。


同じ白い歯でも、自費( 保険適用外 )のジルコニアやオールセラミックと比べると強度・耐久性や経年変化・ 劣化の度合いにおいても、総合的に比較してみて、やはり残念ながら " それなりの物 " という感は否めません。


ただ、以前は保険では銀歯しか選べなかったのに、現状条件付きではあるものの、白い歯も選べるようになったという事は、患者さんの選択肢の幅が広がったと言えるでしょう。


※ 当医院ではCAD/CAM冠は取り扱っておりません。

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