銀歯を白く


歯は笑顔をつくる大切なパーツです。白く美しい歯は、その人の印象を明るくし、自然な笑顔に自信を与えてくれます。
一方で、銀歯は口を開けたときにどうしても目立ってしまい、「人前で思いきり笑えない」とお悩みの方も少なくありません。
近年は、銀歯をセラミックなどの白い歯に取り替える方が増えています。セラミックは自然な歯の色に近く、見た目が美しいだけでなく、金属を使わないことで金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみの心配を減らすことができます。
また、歯との適合性が高く、虫歯の再発リスクを抑えられる点も大きなメリットです。さらに、変色しにくく、長く清潔で健康的な口元を保つことができます。
もちろん、治療には費用がかかることや、場合によっては歯を削る必要があるなどの注意点もあります。しかし、それ以上に「自然で健康的な笑顔を手に入れられる」ことは、毎日の生活をより快適にし、前向きな気持ちにつながります。
きれいな歯は、あなたの魅力を引き出す大切な要素です。
銀歯から白い歯へのご相談は、ぜひお気軽に当医院へお声かけください。
銀歯を白い歯(セラミック)にするメリット
① 銀歯と比べ、天然歯のように自然な色合いで目立たない
銀歯とセラミック歯の決定的な違いは言うまでもなく、その見た目(色)です。
銀歯だと口を開けた時、笑った時、笑顔で写真を撮った時などにどうしてもチラッと金属色が見えてしまいます。人との会話の際も同様ですね。セラミック歯にすれば当然そんなことを気にする必要はなくなります。
② 銀歯と比べ虫歯になりにくい
セラミック歯は白い歯という見た目以外に、銀歯と比べ虫歯にもなりにくいということ、皆さんご存知でしょうか?「治療したのにまたすぐ虫歯になってしまう・・・」こんな経験はありませんか?
もちろん、虫歯の原因には日ごろの歯磨き等、口腔衛生管理がいちばんのポイントになる訳ですが、虫歯になる原因の一つに、金属のクラウン(被せ物)やインレー(詰め物)に使用される金属そのものの劣化よにる影響が挙げられます。
金属が酸化腐食して歯と金属の間に徐々にすき間が生じると、とても虫歯になりやすい状態になります。金属と歯との間のすき間は、歯磨きしても毛先が届きませんから、結果そこが虫歯菌の巣窟と化し、虫歯の進行とともに腐敗が進むにつれて、皆さんが最も気にされる口臭の原因になってしまいます。
セラミック歯は材質的に銀歯のような腐食や劣化がなく適合も良いため、銀歯と比べて二次カリエス(1度虫歯治療を済ませたはずの歯がまたすぐ虫歯になること)も少なく、長く安心して使い続けることが可能になります。
セラミック歯の製作においては、患者さんの歯型をスキャナーで読み取りそのデータからCAD/CAMで設計・製作しますので、精度が高くフィット性がとても良いといのも特徴です。
セラミック歯専用の接着力が強固な薄い被膜のセメントで装着することにより、封鎖性・密封性もさらに良くなるため、虫歯になりにくいのです。
③ 銀歯と比べ金属アレルギー等、身体への影響がない
銀歯に使用する歯科用金属が原因で起こる「金属アレルギー」は、唾液に溶けてイオン化した金属が体内に取り込まれ、体内のタンパク質と反応して起こるアレルギー反応です。
また銀歯や差し歯の土台やフレーム部分に金属が使用されることで起こりやすい現象として、口の中に溶け出した金属イオンの影響で、ブラックライン(歯と歯茎の境い目に黒っぽい線が現れた状態)や、ブラックタトゥー(治療した歯の歯茎に沈着した金属イオンの影響で歯茎が黒またはグレーに変色した状態)などがあります。
セラミック歯は銀歯のような金属アレルギーの心配はありません。ブラックライン・ブラックタトゥーなど歯茎部分の色素沈着もありません。
④ 銀歯と比べ、表面に汚れが付きにくい
銀歯は汚れや歯垢等が付着しやすい傾向があります。これに対してセラミック歯は汚れや傷が付きにくく、歯垢・歯石も付着しにくいため、銀歯と比べ歯の表面・周囲が不衛生な状態になりにくいです。歯磨き等のふだんのお手入れもし易いと言えるでしょう。
セラミック歯は経年変化で変色したり、色褪せたりということもほとんどありませんので、きれいに清潔な状態で長期安定維持が可能になります。
⑤ 刺激に対する遮断性が高い(耐温熱・冷感刺激、耐酸性・アルカリ性刺激)
銀歯で治療した際、治療した後もしばらく歯がしみてしんどい思いをしたという経験はありませんか?金属はセラミックと比べ熱伝導率が高く、歯に対して温熱刺激が伝わりやすいのです。
冷たいものの刺激に対しても同様です。「熱伝導率」などと難しい言葉を使っていますが、例えば、熱湯が煮だった鍋の中に、金属製の長箸と木製の長箸の素材の異なる2種類の長箸を突っ込んでしばらくの間素手で持ったままでいると、金属の長箸を持った手の方が熱さを感じてくると思います。
これは冷感刺激についても同様で、特に神経のある歯での虫歯治療の際に銀歯(金属)にした場合、冷感刺激が敏感に伝わり易く、いわゆる「歯がしみる」状態、あるいは、治療したのに痛みを感じる等の不快症状が続くことがよくあります。
これに対してセラミック歯に使用される素材はもともと耐熱材にも使われていますから、刺激に対する遮断性は金属と比べ断然秀でています。
日々の食生活において、熱い物や冷たい物、酸性の物やアルカリ性の物などを摂取した際、歯はこれらの様々な条件下で機能しなければならず、言わば日々過酷な条件下にさらされた状態で生涯使い続けるわけですから、虫歯で傷んだ歯を保護するという要件においては、銀歯よりもセラミック歯を選択されるのがベターであると言えるでしょう。
⑥ ガルバニー電流
「ガルバニ―電流」という言葉はご存知でしょうか?
例えばチョコレートやチーズの包装銀紙やアルミホイルで包んだおにぎり、あるいは金属のスプーンやフォークなどが口の粘膜や歯に触れた際、何かの拍子に「ビリッ」と電気が走ったようななんとも嫌な刺激を感じたことはありませんか?それがガルバニ―電流の一例です。口の中に入っている金属が原因で起こります。
歯の治療で口の中に何本か銀歯が入っている方などは、特にこの症状を感じる確率が高いと思います。異なる種類の金属が接触した場合にこのような現象が起こることが多いのですが、単独の金属の場合でも口の中や粘膜には唾液が存在しますので、電導性のある唾液を介して起こります。
ガルバニー電流は知らず知らずのうちに、体調不調(疲労・肩こり・不眠・片頭痛・身体の痛み・精神状態の乱れ・イライラなど)全身状態に影響してくるケースもあります。
銀歯にはこのようなリスクもあるわけですが、これに対してセラミック歯に使用されるセラミック素材は電気刺激に対して絶縁性の素材となりますので安心と言えます。身体にも優しいということです。
銀歯を白い歯にするデメリット
① 自由診療になるため、保険治療と比べ治療費が高額となる
セラミック歯は保険外になりますので、医院によって料金設定には幅があるのですが、かぶせ物(ジルコニアクラウン等)を例に挙げると大体1本10-15万円くらいというのが目安になるのではないでしょうか。ブリッジで何本か連結した場合には×その本数分となるというのが目安です。
神経が無く根っこだけが残っている場合、根っこの部分に補強のための土台を入れてから(家を建てる場合で例えると、まず頑丈な柱を立ててから)クラウンをかぶせる(家を建てる)のですが、土台の部分はクラウンとは別料金の場合がほとんどです。大体1本2万円前後という所が多いようです。
保険治療(3割負担)の場合、金属のかぶせ物で1本6,000~7,000円くらいで、前歯でよく使用される硬質レジン前装冠(金属フレームに白いプラスチックを盛り足し、表面的には白い歯にした物)で1本9,000~10,000円くらいです。
② セラミック歯は丈夫である反面、衝撃には弱いという性質がある
丈夫だけどもろい面もある??分かりやすく言うと、セラミックとは広義では「陶材」のことを指しますから、食器のお茶碗(陶器)などと同じ部類の素材とも言えます。例えば、お茶碗や湯呑などの食器で金属製の物と陶材製の物、誤って床に落としてしまった時、割れてしまったり、一部欠けてしまう可能性があるのはどちらでしょうか?
セラミック歯は瀬戸物のお茶碗と同じ部類の陶材ですから、強い力や衝撃がかかった際に割れてしまうことがあります。
セラミック歯のタイプによっては、特に咬む力の負担割合が大きい奥歯(具体的には第一大臼歯や第二大臼歯)に使用した場合など、咬み込みの強い人や歯ぎしり・食い縛りの癖がある人、全体的に歯の摩耗が進んでいる人などにおいては、噛んだ時の衝撃あるいは寝ている時の歯ぎしり等によりセラミックの一部または全部が割れてしまうということがあります。
これらに対する手段として、歯の場所によって、例えば咬む力のかかる奥歯などにはセラミック歯の中でもより強度の高い「オールジルコニア」を選択するなど、適材適所セラミックの素材(種類)を使い分けることで、これらのリスクに関しては回避可能になります。
③ 歯の削除量は保険の銀歯治療に比べるとやや多くなる
セラミック歯では上述のとおり、衝撃に対してもろいという性質もあるため、クラウンやインレーなどにする際は、その対策として物自体の厚みを確保して強度を図ることになります。クラウンやインレーの厚みをある程度確保するためには、その分、歯の方は削らざるを得なくなるわけです。
例えばセラミックの種類の中でも強度のあるジルコニアと言えど、ある程度の厚みの確保が必要になります。それに対して金属(銀歯)は展延性もあり、そもそもセラミックに比べ強度はもともと
勝っていますから、厚みがかなり少ない状態でも対応可能で、要は歯を削る量が少なく済むわけです。