ジルコニアセラミッククラウンの構造


「ジルコニアセラミッククラウン」の構造は基本的には前歯も奥歯も共通です。

画像は奥歯のモノになりますが、これを例にジルコニアセラミッククラウンの構造を分かりやすく解説します。

 

「ジルコニアセラミッククラウン」は裏をひっくり返してよく見ると、2重(2層)の構造になっているというのがよく判ります。

裏の真っ白い部分と、表面のリアルに歯の色を再現した艶々した部分とによって構成されています。


「ジルコニアセラミッククラウン」は裏の真っ白い部分(ジルコニアフレーム)の表面にリアルに歯の色を再現したセラミックを築盛( 外装 )させたものになります。外観はまさに本物の歯のようです。

 

これに対して「オールジルコニアクラウン」の場合、その名が示す通り、ジルコニアのみで構成される単体構造になりますから、表面にセラミックコーティングされていないものになりますので、セラミックで表面に化粧を施したジルコニアセラミックと比べると、透明感(本物の歯のようなリアル感には)はどうしても劣ってしまいます。

 

ただし「奥歯」の場合には、咬む力に耐え得る強度・耐久性も優先されなければなりません。奥歯を「ジルコニアセラミッククラウン」で治療した際よくあるのが、表面のセラミック部分が破折(割れる・壊れる)というトラブルです。

 

これはイーマックスクラウン(e-max : 奥歯をクラウンで治療する際によくオールジルコニアと競合される方も多いオールセラミッククラウン)やハイブリッドセラミッククラウンなどでも同様で、特に第一大臼歯や第二大臼歯に適用した場合、破折したというトラブル。

 

他医院で治療したこれらのクラウンが数年も経たないうちに(ケースによっては数か月で)破折してしまったため、当医院でオールジルコニアで治療(再治療)を希望され来院される方なども時折おられます。

 

咬む力に耐え得る強度・耐久性も優先という面から、近年では奥歯の治療(クラウン)に関してはオールジルコニアが主流となりつつあります。