セラミック矯正


セラミック矯正は一般的な矯正治療と比較して、治療期間が短期間で済むことや、煩わしい矯正装置を装着しなくてもよいこと、対象歯が数本の場合には費用も安く済んでしまうなどのメリットから、近年ではセラミック矯正希望ということで 来院・受診 される方も増えております。

セラミック矯正では前歯2本、あるいは前歯4本、前歯6本、奥歯も含むコンビネーション、さらに上下歯でのコンビネーション、また、欠損歯がありブリッジを含む場合、その他ケースによっては歯のすき間(いわゆるすきっ歯)を治したいなどという場合においても対応可能です。

【前歯の歯並びを改善するために、一般的な矯正治療 ではなく、ジルコニアセラミッククラウンで治療した例です】

 

いわゆるセラミック矯正(スピード矯正・クイック矯正)と呼ばれる手法で、前歯の「部分矯正」ということになります。

 上の前歯(真ん中)2本が前方にかなり突出していましたが、最終的にいわゆる出っ歯気味で凸凹だったの歯並びが改善されています。

正面観
正面観

上の前歯で真ん中2本が歯列からはみ出ており、歯軸も2本各々傾斜・捻転しています。 

右側面観
右側面観

2本の前歯のうち、特に右側の1本に関しては、ご覧の通り歯列からかなり飛び出ており、口を閉じた時にも常に上唇を押し上げている状態でした。 

左側面観
左側面観

右側ほどでもないのですが、左側の前歯も 通常よりはやはりかなり前方へ突出した状態でした。


正面観(2)
正面観(2)

ハの字に開いた状態だった前歯が、ピタッとキュッとしまって、とてもスッキリとした見栄えになりました。 

右側面観(2)
右側面観(2)

あれだけ前に突出していた前歯が、とても 自然な感じの歯並びに改善されました。 

左側面観(2)
左側面観(2)

左から見ても、歯軸が自然な感じに改善されているのが判ります。 


セラミック矯正のデメリット


冒頭にセラミック矯正の旨み(メリット)だけを並べていますが、セラミック矯正は「歯を削る」というリスクが伴うことが前提であるということを皆さん十分認識はされておられるでしょうか?

 

セラミック矯正を希望され来院される方の中には、本来一般的な歯列矯正(ワイヤー矯正)を第一選択とされるのが妥当であろうと思われる方も多いのですが、そのようなケースにおいて歯並びの程度によっては、歯を削るだけではなく歯の神経を取らなければ対応できない場合もけっこう多いのです。

 

ご参考までに、上述の例で紹介した患者さんにおかれましては、歯を削るだけではなく、最初から神経を取ることは前提で治療を開始しています。もちろん患者さんには事前に十分にご説明させていただき、患者さんのご理解・ご承諾の上で治療を進めております。

 

セラミック矯正を希望される場合には、こういったリスクも踏まえた上で検討される必要があるのです。

歯の神経構造

■歯の神経の構造

 

歯の中心を通っているピンクの部分が神経です。歯の中心軸に沿って歯の先端近くまで配置しています。

 

このことを念頭にもう1度上述の例を考察してみましょう。そうすれば、その理由(神経を取らざるを得ないという理由)が容易にご理解いただけるかと思います。

歯列からかなり前へ飛び出していました。

それをこれだけ引っ込めて、真っすぐにするわけです。

正面から見ても前歯2本は完全に歯列からはみ出し、2本の歯同士も開いてしまっています。

それをこのように中に引っ込めて整然と並べるわけですから、、、


飛び出した歯を真っすぐに治すには、程度の軽い人と比べれば、それだけ歯の削除量も多くなります。

 

歯の中(中央部分)は歯軸に沿って神経が通っているのですが、このような角度のきついケースでは、歯を真っすぐな角度になるまで削るだけではなく、さらに歯の神経を取らなければ患者さんのご希望に叶うかたちにはなりません。

 

これはもともとの歯の構造上(神経との関係から)そうせざるをえないと言っていいでしょう。

セラミック矯正適用の可否


「セラミック矯正」をご希望の方は、治療内容云々、治療費云々の前に、まずはそれが可能かどうか(セラミック矯正が適用可能なケースであるのか否か )を 診査・診断させていただく必要が あります。

 

これをご覧になっている方の中には「歯並びをキレイに治したい」ということで、セラミック矯正に興味をお持ちの方も多いかと思いますが、「どこの医院で治療するのがいいか?」「どこの医院が安いか?」「クラウンの種類は何がいいか?」などを調べる前に、、、

 

まずは自身の歯並びの状態(および各々の歯のコンディション)において、はたしてセラミック矯正が可能なケースであるのか?判定してもらってからでなければ、自身のイメージだけで先走って(最も肝心なことは置いといて)いろいろ検討してもしかたがないということになります。

 

「一般矯正か?セラミック矯正か?迷っている」という方におかれましても同様のことが言えます。特に、本来一般的な矯正治療(ワイヤー矯正)を適用(選択)するのが妥当と思われるケースでは、最初からセラミック矯正では対応不可能な場合もありますので。

 

セラミック矯正(スピード矯正・クイック矯正・部分矯正)は、どんな歯並びでも魔法のようにキレイに治せるなどという夢の治療では 決してありませんので(ケースによって 限界も ありますので)、当医院では個々の ケースにより、施術の可否を判断させていただいて おります。

矯正治療が必要な症状


セラミック矯正に限らず、一般的に歯列矯正が必要と考えられる不正咬合の状態(パターン)を紹介します。

以下は過去に「セラミック矯正」で対応させていただいた「不正咬合」のパターンですが、当然、これらは人によって不正咬合の程度の大・小がありますので、これら全て(類似のケースも含む)がセラミック矯正で対応可能ということではありません。セラミック矯正対応の可否は、以下のパターン各々の程度(患者さん各々の実際の歯並びの状態)によるということを念頭にご覧ください。

不正咬合(正中離開)
不正咬合(正中離開)

いわゆる「すきっ歯」の状態です。

不正咬合(空隙歯列)
不正咬合(空隙歯列)

正中(真ん中)以外にも前歯を中心にすき間がある状態です。

不正咬合(上顎前突)
不正咬合(上顎前突)

いわゆる「出っ歯」の状態です。

不正咬合(過蓋咬合)
不正咬合(過蓋咬合)

咬み合わせが深いため、上の前歯が下の前歯を覆い隠しています。


■以下はセラミック矯正が比較的難しいケースです。

不正咬合(交叉咬合)
不正咬合(交叉咬合)

前歯の咬み合わせが一部交叉しています。交叉咬合は1本だけ咬み合わせが逆になっているものから数本に及ぶものまでパターンが多く、セラミック矯正対応の可否は程度によります。

不正咬合(下顎前突)
不正咬合(下顎前突)

いわゆる「受け口」の状態です。セラミック矯正対応の可否は程度によりますが、骨格性下顎前突の場合には対応不可能なことが多いです。骨格性の場合はやはり一般的な矯正治療が第一選択となります。

不正咬合(叢生:そうせい)
不正咬合(叢生:そうせい)

いわゆる「乱杭歯:らんぐいば」の状態です。セラミック矯正対応の可否は程度によります。図のように犬歯がいわゆる「八重歯」のようになっている方においては通常の歯列矯正(ワイヤー矯正)をおすすめします。

不正咬合(開咬)
不正咬合(開咬)

不正咬合(開咬)

咬んだ時、奥歯だけが咬みあっていて前歯は常に空いた状態。セラミック矯正ではほぼ対応不可能なことが多いです。通常の歯列矯正(ワイヤー矯正)が第一選択となります。


ジルコニアセラミッククラウンによるセラミック矯正をご検討の方は、まずはお電話で受診のご予約後、実際に来院されたうえでご相談ください。

※セラミック矯正の料金は、治療対象歯が何本かによって当然変わってきますが、基本的に該当歯1本の料金はジルコニアセラミッククラウン1本の料金に準じます。料金表参照

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